2012年5月17日木曜日

SATO式ダイエット(2)


(喜八) ダイエット(減量)に関する情報はインターネット・テレビ・書籍・雑誌などのメディアで大量に流通しています。我々のこの対談記事で既存の情報に類したものを発信しても意味は薄いのではないかという思いがあります。

そこで「SATO式ダイエット」では SATO さんのボディビルダーとして、またトレーニング指導者としての実際体験に焦点を当てた質問をして、そこからヒントを得ていきたいと考えています。

今回はボディビル選手としての減量(および体重増加)を中心にお聞きします。

SATO さんの普段の体重はだいたい何kg くらいでしょうか?
そしてボディビル・コンテスト出場前にはどれくらいの減量をされるのでしょうか?
さらには試合終了後どれくらいの期間をかけて体重を元に戻すのでしょうか?

(SATO) 普段の体重は・・・今年は74kg(身長169cm)くらいです。
試合出場時は70kg 以下に落とします(出場クラスが70kg です)。

ボディビル・コンテスト前の減量は若いころ(20数年前)には3〜4kg でした。 最近3年間は4〜8kg ほどです。

コンテスト終了後、その年の体重が決まるのが3ヵ月くらい経ってからですね。
コンテストが済んで3ヵ月後に戻った体重をそのまま維持します。
普通に食べて体重が増減しなくなる、という意味でもあります。

(喜八) 体重が74kg で身長169cm というと、一般の中年男性なら多分「太め」ということになるでしょう。
ところが普段の SATO さんはどちらかというと痩せ型に見えます。これは筋肉量が多いためです。筋肉は脂肪よりも重いため、筋肉質の人は見た目より体重があることが多いのです。これはウエイトトレーニングに詳しくない人のために解説しました(笑)。


ハーブの減量茶

SATO さんはボディビルダーとしてはコンテスト出場時と普段とで体重の増減が少ないほうですね。ふたたびボディビルに詳しくない方のために解説しておきますと、もっと大幅な減量をするボディビルダーはけっして少なくないのです。20〜30kg もの減量を敢行する選手もいます。また体重の戻し方が急激な選手もいます。1週間で10kg 以上体重が増えるというような・・・。

(SATO) 試合に勝つことが第一のコンテストビルダーの減量法やトレーニング法は、一般の方が真似をされると健康を害する可能性があります。
そのまま真似をしない方が無難でしょうね。

それと私はコンスタントにウエイトトレーニング(筋力トレーニング)をしていませんし、たまにしかコンテスト出場をしていないので、その意味でも参考になりにくいかもしれません。

(喜八) 安易に真似しようとは思いませんが、参考になる部分はあるだろうと思っています。そこは賢明なる読者の皆様の判断にゆだねましょう(笑)。
それではボディビル・コンテスト前の具体的な減量法を教えてください。

(SATO) 特別な減量法は取っていません。
当たり前のことですが、トレーニング食事で調整します。
また減量とはいえ体重が急速に減り過ぎないように気をつけています。

最初のうちは減量も順調に進んでいきますが、体脂肪が7%近くになると減り難くなります(ボディビル・コンテスト出場時は5%程度まで体脂肪を減らします)。
食事を多く食べたい場合や、食べた場合は有酸素運動をする時もあります。
ジムへ行きステップ器具で1時間ほど。1ヵ月に3回くらいです。


減量のためのトレーニングエクササイズピラティス

(喜八) ちょっと待ってください。「1ヵ月に3回くらい」ですか? 「1週間に3回」の間違いではなくて。それではあまりに少ないように思いますが・・・。

(SATO) 間違いではありません。平均して週に1回はしないです。
ただ通勤時に電車で一駅分を歩くようにしていますので、一万歩以上は歩いていると思います。
筋力トレーニングにおいても、背中・足・腕といった各部分のトレーニングはそれぞれ週に1回しかしません。

(喜八) SATO さんはトレーニング量が少ないのですね。それだけ合理的なトレーニングをされているということなのでしょう。ということで一応納得しておくことにします(笑)。

それでは次に行きます。
ここで生活習慣についてお聞きしておきます。
普段お酒はどれくらい飲むのでしょうか?
タバコは吸われますか?
平均的な睡眠時間はどれくらいでしょうか?

(SATO) お酒は1日おきにビール700cc にウイスキーを適度。
と言っても家にアルコールがないと全然飲みません。
あれば幾らでも飲んでしまいますが(笑)。

タバコは小学校5年生のとき以来吸うことはないです(?)。

最近は睡眠時間を増やす努力をしています。
平均すれば5〜6時間ですね。

(喜八) それでは減量期の食事サプリメントの内容を教えてください。


低価格の抗疲労マット

(SATO) 朝はご飯に味噌汁、夜は普通に奥さま手料理です。
野菜は不足しがちなので意識して食べるようにしています。
間食(?)にプロテイン入り牛乳を持ち歩いて飲みます。
仕事で午前様になる時は夜食なし(週に半分近いです)。
サプリメントはプロテイン、ビタミン、ミネラルなどを適当に飲んでいます。 これも週に半分ほどかな?

(喜八) 食事やサプリメントに関しても特別なことはやっていないのですね。たしかに減量・トレーニング・食事に関しては当たり前のことを当たり前に実行していくしかないのでしょう。それ以外の「近道」を求めるのは虚しいことなのかもしれません。

ところでボディビル・コンテスト前の減量の目的は主に体脂肪を減らすことですね。しかし、脂肪だけでなく筋肉量(あるいは骨量など)も減ってしまうということはないのでしょうか?

(SATO) 体脂肪計を使って計算すると多くの筋肉が減っています。
とくに体脂肪10% 以下にするときに脂肪のみならず筋肉も減っています(残念)。
普段からトレーニングと食事を計算して、体重が増えすぎないようにして、コンテスト前の減量幅を少なくするようにしているとよいのですが。

(喜八) さて話題を変えます。
SATO さんは体重を自在に増減させることができると聞きましたが、それは本当なのでしょうか?

(SATO) 私はボディビル・コンテストに関係なく体重の増減を繰り返しています。
70kg から80kg のあいだで増やしたり、減らしたり。
体重は自分でコントロールできますから、体重の増減と筋力や筋量の変化を試すのを楽しんでいるのです。


短期間で60kg 台から80kg 台に体重の増減をすると、知り合いの方は病気を疑うようです(笑)。
ちなみに減量した時の方が病気を疑う人は多いです。
しかし増量の時も腎臓やその他を疑う人もおりました。
たしかに体重の増減のやり過ぎは身体には悪いと思います。

(喜八) 一般的には「ダイエット(減量)はなかなか成功できない」という人が多いようですが・・・。
体重を減らすのはそんなに簡単なものなのか? という疑問が生じます。

(SATO) 私は身体の基礎代謝が高いかもしれませんね。
また仕事が忙しくて間食を摂ることが少ないことも原因だと思います。
いつの間にか食事時間が過ぎてしまっているという感じですから、昼食や夕食でさえ意識していないと食べ損ねます。

(喜八) なるほど。筋肉量の多い SATO さんは基礎代謝が高いから、必然的に1日の消費カロリーも多い。さらには、睡眠時間が少ない、食べ過ぎない、というような条件が揃っているため太りにくいということがいえそうです。

次回は SATO さんのトレーニング指導者としての経験を聞きながら、我々一般人でもできるダイエット(減量)法について考えてみたいと思います(「SATO式ダイエット(3)」に続く)。

(SATO、喜八 2005-05-02、改訂2007-01-13)

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